とうとう今日、今回のお話で私が2番目に書きたかった場面が出ました。
ジョウスティング(Jousting: 槍試合)本番です。
(女性向け恋愛小説のヒロインに一体この作者は何をさせてるんだって思われるかもしれませんが)
あまり日本では馴染みがないかも知れませんが、これ、イギリスでは今でも色々なところで見ることが出来ます。
私が初めてジョウスティング(槍試合)を目にしたのはブレナム宮殿の催しものでした。これは毎年5月の初めの祝日辺りで行われます。
(写真はPixabayよりお借りしています)
残念ながら現代のこれは催し物ですから、試合と言っても出来試合。見せるための試合になってますが雰囲気は断然伝わってきます。今でも競技を行っているところもあるようですが、残念ながら私はまだ一度も見たことがありません。
催し物と言っても侮れません。馬は大きいしスピードは凄いし槍は砕けるし仕込みとはいえ落馬するし!
子供向けのそれを見てその格好良さに熱くなっていたのは実は私の方でした。
それからちょこちょこと集めた資料を基に今回この部分を書いたわけですが。
今回のお話は正直一部は私の想像です(妄想ともいう)。調べた内容を元にしていますのであながち嘘ではないと思うのですが、史実的な裏付けのない部分もあります。まあそこはファンタジーという事でお許しいただきたい。
とはいえ、今回のお話をよりお楽しみ頂けるよう、私が調べた史実の方を少しだけご説明しておきます。
槍は元々戦場で使うための物が先にありました。それを中世のトーナメント式の試合で戦わせるために、槍や鎧が改良され、ルールも細かく決まっていきます。その過程で色々変化するわけですが、今回のお話の元になった情報をまとめてみると。
1 試合用の槍は最初は無垢の木で出来ていました。本当の戦闘用に近く、先頭には相手の鎧を引っ掛けるための鉄の細工まで付いてたらしいです。
2 だけどそれだとけが人続出。そこで試合の為に中が空洞にされた槍が用意されるようになった。ところがそれでも無垢の木を使い続ける人・試合もあった模様。槍は試合や人によって違ったらしいです。先端は基本丸くなった鉄のカバーがついていたらしいです。
3 槍には二種類の長さがあって、今回のお話は長い方の3メートル半もあるものを使ってます。こちらは重みもあるので基本脇に抱えるような形で持ち、手で支えながら狙いをつけてぶつけます。短いものは手に握って当てあったようです。
4 鎧はフルメタルだったり鎖帷子だったりしますが、けが人続出の結構荒っぽい試合だったらしいです。
5 ジョウスティングは本来馬上で戦う競技全般を指しますが、皆思い浮かべるのはこの槍競技です。
6 ジョウスティングはとても華やかな競技なので騎士はこぞって出たがったそうです。練習時には木の槍を使い、当たるとクルクルとまわる的などを使います。ラスの練習では相手の重さを確認するために、これを硬い木偶の坊にしちゃったから吹っ飛ばされてるんですよね。ここは以前見たとある催し物の一場面から想像した私のフィクションです。
(出典:http://www.classicalfencing.com/mcweaponslance.php)
さてジョウスティング(槍試合)のルールは下に出典を載せましたページの物を私なりに翻訳したものです。
ルール1
槍競技者はコースを最大4回まで走り抜ける。槍が当たり砕け散った競技者と槍が砕けなかった競技者がいた場合、槍が砕けた者が勝者となる。
ルール2
そして片方の競技者の槍が2本砕け、もう片方の競技者の槍が1本しか砕けなかった場合、その時点で最初の競技者の勝利となる。しかし、もし1本しか槍が砕けなかった競技者が、その時相手のヘルム(兜)を外すことが出来たら、同点とする。
ルール3
そしてもし、片方の競技者の槍が2本砕け、もう片方の競技者の槍が全く砕けなくても、その競技者が最初の競技者を馬から落とすことが出来たらこれも同点とする。
ルール4
そしてもし、片方の競技者が落馬し、もう片方の競技者が落馬したうえで馬も倒れた場合は、馬ごと倒れた方の競技者の勝利とする。これは馬ごと倒れた競技者の落馬は馬の責任と考えるためである。
ルール5
槍が対抗者にぶつかった後で折れた場合はカウントしない。
ルール6
そしてもし4コース走ったあとでも両者が2回づつ、または1回づつ槍を砕いた場合、または同じ部位に当てていた場合、これも引き分けとする。もし4コース走ったあとでも両者が一度もまともにお互いに槍をあてられなかった場合は、ひどい試合だったとして試合を無効とする。
ルール7
そしてもし片方の競技者がぶつかりあう前に槍を落としてしまった場合、対抗者は槍をかかげて相手に当てないこととする。槍を持たない相手に対して攻撃を加えるのは卑怯な行為である。
ルール8
競技を公平に審議するために、それぞれの競技者に二人づつ審判を付けることとする。
(出典:http://www.medievalists.net/2015/01/medieval-rules-jousting/)
出典もとによるとこれ以上にももっとルールがあるそうですが、相手は気の荒い騎士ですから勝敗はそうそう毎回上手く合意できないようです。そんな場合の話を明日はちょっとだけ書く予定です。
最後にもしこの様な競技をご覧になりたい方の為の情報を少しだけ。
YouTube(催し物編):
YouTube(現代の競技編、流血注意!):
ブレナム宮殿の公式サイト:https://www.blenheimpalace.com/
(ジョウスティングの催し物は5月なので来年の4月ごろまで見れません)
お話はこちら:
【小説家になろう】【R18】最後に望むのは君の心だけ
女騎士ラスは狭い牢獄の部屋に囚われた同僚カラムを見る。
椅子に縛り付けられ、拷問に傷つき、騎士服に血を滲ませるその姿にいつもの彼の艶やかさはない。
明日処刑される運命の彼が最後に望んだものとは……?
堅物女騎士ラスとそれに振り回される不憫な騎士カラムの恋物語。
毎朝6時2話づつ更新中、ラス視点のみで26話完結。
ジョウスティング(Jousting: 槍試合)本番です。
(女性向け恋愛小説のヒロインに一体この作者は何をさせてるんだって思われるかもしれませんが)
あまり日本では馴染みがないかも知れませんが、これ、イギリスでは今でも色々なところで見ることが出来ます。
私が初めてジョウスティング(槍試合)を目にしたのはブレナム宮殿の催しものでした。これは毎年5月の初めの祝日辺りで行われます。
(写真はPixabayよりお借りしています)
残念ながら現代のこれは催し物ですから、試合と言っても出来試合。見せるための試合になってますが雰囲気は断然伝わってきます。今でも競技を行っているところもあるようですが、残念ながら私はまだ一度も見たことがありません。
催し物と言っても侮れません。馬は大きいしスピードは凄いし槍は砕けるし仕込みとはいえ落馬するし!
子供向けのそれを見てその格好良さに熱くなっていたのは実は私の方でした。
それからちょこちょこと集めた資料を基に今回この部分を書いたわけですが。
今回のお話は正直一部は私の想像です(妄想ともいう)。調べた内容を元にしていますのであながち嘘ではないと思うのですが、史実的な裏付けのない部分もあります。まあそこはファンタジーという事でお許しいただきたい。
とはいえ、今回のお話をよりお楽しみ頂けるよう、私が調べた史実の方を少しだけご説明しておきます。
槍は元々戦場で使うための物が先にありました。それを中世のトーナメント式の試合で戦わせるために、槍や鎧が改良され、ルールも細かく決まっていきます。その過程で色々変化するわけですが、今回のお話の元になった情報をまとめてみると。
1 試合用の槍は最初は無垢の木で出来ていました。本当の戦闘用に近く、先頭には相手の鎧を引っ掛けるための鉄の細工まで付いてたらしいです。
2 だけどそれだとけが人続出。そこで試合の為に中が空洞にされた槍が用意されるようになった。ところがそれでも無垢の木を使い続ける人・試合もあった模様。槍は試合や人によって違ったらしいです。先端は基本丸くなった鉄のカバーがついていたらしいです。
3 槍には二種類の長さがあって、今回のお話は長い方の3メートル半もあるものを使ってます。こちらは重みもあるので基本脇に抱えるような形で持ち、手で支えながら狙いをつけてぶつけます。短いものは手に握って当てあったようです。
4 鎧はフルメタルだったり鎖帷子だったりしますが、けが人続出の結構荒っぽい試合だったらしいです。
5 ジョウスティングは本来馬上で戦う競技全般を指しますが、皆思い浮かべるのはこの槍競技です。
6 ジョウスティングはとても華やかな競技なので騎士はこぞって出たがったそうです。練習時には木の槍を使い、当たるとクルクルとまわる的などを使います。ラスの練習では相手の重さを確認するために、これを硬い木偶の坊にしちゃったから吹っ飛ばされてるんですよね。ここは以前見たとある催し物の一場面から想像した私のフィクションです。
(出典:http://www.classicalfencing.com/mcweaponslance.php)
さてジョウスティング(槍試合)のルールは下に出典を載せましたページの物を私なりに翻訳したものです。
ルール1
槍競技者はコースを最大4回まで走り抜ける。槍が当たり砕け散った競技者と槍が砕けなかった競技者がいた場合、槍が砕けた者が勝者となる。
ルール2
そして片方の競技者の槍が2本砕け、もう片方の競技者の槍が1本しか砕けなかった場合、その時点で最初の競技者の勝利となる。しかし、もし1本しか槍が砕けなかった競技者が、その時相手のヘルム(兜)を外すことが出来たら、同点とする。
ルール3
そしてもし、片方の競技者の槍が2本砕け、もう片方の競技者の槍が全く砕けなくても、その競技者が最初の競技者を馬から落とすことが出来たらこれも同点とする。
ルール4
そしてもし、片方の競技者が落馬し、もう片方の競技者が落馬したうえで馬も倒れた場合は、馬ごと倒れた方の競技者の勝利とする。これは馬ごと倒れた競技者の落馬は馬の責任と考えるためである。
ルール5
槍が対抗者にぶつかった後で折れた場合はカウントしない。
ルール6
そしてもし4コース走ったあとでも両者が2回づつ、または1回づつ槍を砕いた場合、または同じ部位に当てていた場合、これも引き分けとする。もし4コース走ったあとでも両者が一度もまともにお互いに槍をあてられなかった場合は、ひどい試合だったとして試合を無効とする。
ルール7
そしてもし片方の競技者がぶつかりあう前に槍を落としてしまった場合、対抗者は槍をかかげて相手に当てないこととする。槍を持たない相手に対して攻撃を加えるのは卑怯な行為である。
ルール8
競技を公平に審議するために、それぞれの競技者に二人づつ審判を付けることとする。
(出典:http://www.medievalists.net/2015/01/medieval-rules-jousting/)
出典もとによるとこれ以上にももっとルールがあるそうですが、相手は気の荒い騎士ですから勝敗はそうそう毎回上手く合意できないようです。そんな場合の話を明日はちょっとだけ書く予定です。
最後にもしこの様な競技をご覧になりたい方の為の情報を少しだけ。
YouTube(催し物編):
YouTube(現代の競技編、流血注意!):
ブレナム宮殿の公式サイト:https://www.blenheimpalace.com/
(ジョウスティングの催し物は5月なので来年の4月ごろまで見れません)
お話はこちら:
【小説家になろう】【R18】最後に望むのは君の心だけ
女騎士ラスは狭い牢獄の部屋に囚われた同僚カラムを見る。
椅子に縛り付けられ、拷問に傷つき、騎士服に血を滲ませるその姿にいつもの彼の艶やかさはない。
明日処刑される運命の彼が最後に望んだものとは……?
堅物女騎士ラスとそれに振り回される不憫な騎士カラムの恋物語。
毎朝6時2話づつ更新中、ラス視点のみで26話完結。
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