「えー今回は私、売名行為させて頂きますっ」
というとんでもない出だしですが。
ちょっと一歩もどって、前回のおさらい。
今年の9月、ツイッターで中七七三(@naka773)さん主催の「アマチュア小説いくら稼げるかコンテスト大賞」第一回に参加させて頂き、生まれて初めてKindleで出版してきました。
それがこちらです。
2カ月前、コンテストを理由にKindleで販売を始めました『この転生、やり直してもいいですか?』ですが、コンテストの終了に伴い、改めましてイーデスブックの中七七三さんと3年間の契約を交わしました。
出だしで出版物に問題を起こしてしまい沢山の方にご迷惑をお掛けしましたが、売れ行き・・・と言うか閲覧数はそこそこ頂きました。
先日中七七三さんから初めてのロイヤリティの振り込みをいただきました。コンテストでは参加作品全11作中、第4位で終わりましたこちらの作品、最初の一月の入金が2627円。
そして、今回のコンテストの終了を持ちましてこちらの作品、これまでと今後3年間の出版を中七七三にお任せすることにしました。
売上は・・・全て『北海道災害義援金』に直接振り込んでいただくことになります。
くれぐれも間違いのないよう繰り返しますが、これはれっきとした売名行為です。
決して私が善人だからする行為ではなく、事情があって、これが最善だからする、それを踏まえた上でここからを読み進めて頂けると幸いです。
さて、まず一つ目の動機ですが。現在自分が住んでいる国が日本でない為、折角のこちらの収入が個人で対処するには色々ととっても面倒くさいものだと後から気づいてしまいました。
今もこれからも、どれくらい売れるか全然分からないのに、収入の手続きだけは色々しなくちゃならない。
で、ちょうど悩んでいる頃に、北海道の台風と地震による災害のメッセージがツイッターに溢れました。
決して根っからの善人と言う訳でもないので、普段寄付ってなんにでもする気はないのですが、たまたま最近は北海道に沢山のお友達も出来まして、聞いてるだけで辛くなる状況を知ってしまっては、何かしたいと思うのが人情でこれが二つ目の理由。
ですから、寄付先が北海道になったのも偶々ですし、同じするなら売名行為にしちゃえっとなったわけです。
ただ折角だから書いておきたかったのですが、ドネーション(寄付)という行為に実は私、ポリシーがあるんですよ。
私がまだ日本に住んでいたころ、学校の行事や活動、その他で募金集めを何度も手伝ったことがあります。普通に学生の活動の一つとして推奨される募金活動。するべき、というただそれだけの理由でやっていましたが、いつももやもやとした違和感は感じていました。
なぜ、私がここで全く知らない人に募金をお願いしてるのだろうか?
この募金、どこで何に使われるんだろうか?
別に募金活動自体がおかしい、ということではなく、漠然と、自分が行ってることと自分自身の繋がりの薄さに気恥ずかしさを感じてたんです。
それでも、当時はそれはそれできっと必要なところに行くのだろうと自分を納得させてきました。
その後諸事情で海外にとび出して、イギリスに落ち着いてから、今度は全く違う形で行われる募金活動に寄付を入れてきました。
基本、どれも草の根活動で、どの募金も日本のように一箇所で大金を集めることはほとんどありません。一度に入れる金額も1ポンドから5ポンド程度。
ですが、一つ一つ募金をする理由を私は知っていて、しっかりどこに行くのかが分かってます。
某友人はお母さんの病気を経て、マラソンを走って乳癌の研究に寄付するお金を募集してました。
またとある同僚はアフリカ出身で、靴と服、それに医薬品を持っていくためにケーキセールをしてました。
他にも外国人学生インターンの一人は夜通し歩いて若いホームレスのシェルターを作る基金を支援してました。
それぞれ、自分の人生で関わった何かに貢献するための募金を集めるのが主流なんです。
そして、これは基本一回こっきりじゃありません。毎年繰り返してライフワークにしてる人がほとんどです。
とは言え、外国人の私自身は息子の学校関係の資金集めくらいで他は特に英国にそこまで思い入れのある団体もなく、ここで生活を始めてからも長いこと募金にお金を支払うだけでした。 それが7年前。東日本大震災が起きました。
海外から家族の安否を確認するだけで数日。それからも親類や友人の消息を確認して、巻き込まれていた親族が無事家族と合流したのを確認するだけで1週間。
毎日ニュースが流れる中、職場の友人たちから何度となく何を出来るかと尋ねられました。私の働いてる会社も社名で募金を出してくださり。
そして、どこに送ればいいのか尋ねられたのです。
そこで初めて、私は自分がここだと思う送金場所が見つけられないことに唖然としました。 まず、赤い羽根募金も赤十字も、義援金がある一定額を超えた場合、他の募金に回す可能性をしっかりサイトで示しています。 ですが、こっちの皆さんはこの時の募金を『東日本大震災』で被災された地域や人たちに使ってほしいと望んでいました。 私がお手伝いする募金でそれが他に使われるとは言えません。 結局、色々悩んだ結果、一部は現地に飛ぶ知人に任せ、高額な企業募金は事情を理解してもらったうえで赤十字にお任せしました。
でもそれからずっと私の中には、その時のわだかまりが燻り続けてきました。
義援金の受付口座が通常一年弱しか開いていない事にも驚きました。被災の復興は1年で済むはずもなく、本来世界各国から届く義援金は、それを見越して少しでも長く援助に使ってほしいという願いがあってのものだと私は思います。
何かしら、その募金先に思い入れや繋がりがあって、それが原動力になってる筈なんです。
そんな募金は一年じゃなく長期でやりたい。それが今、イギリスのボランティア活動になれてしまった私の常識でした。 あれからずっと私が頭の隅で考え続けてきた疑問。じゃあ私は一体どんな形の募金がしたかったのか。
まとめてみるとこんな感じです。
- 指定した地域にのみに払いたい
- 自分の払える金額を払いたい
- 長期的に払いたい
- (海外から)なるべく手数料や手間をかけずに支払いたい
これ、もしかして凄く理想的な募金が出来るんではないだろうか、と。
因みに拙作はそんなバカ売れしているわけではありません。月々振り込める金額は大したことにならないでしょう。
でも、この方法だと、ほぼ最高の形で私が望んでいた募金が可能になりました。
この方法であれば、最初の義援金口座がなくなっても地元のふるさと納税などを使って支援が続けられます。また、支払い金額は売上次第です。
中七七三さんと契約しましたので、振り込み作業は彼が出版費用の一環として引き受けてくれます。一度もお金が日本を出ませんから、手数料は他にほとんどかかりません。中七七三さんにも手数料が入りますから、気兼ねなく振り込みをお願いできちゃいます。
これ、とっても大事な点です。本来、募金などのボランティアは、支払い元と受け取り先はともかく、その中間に入る団体などは完全な無料奉仕じゃ長期に渡って成りたちません。そこには提供するサービスなり金銭なりに見返りがあってこそ長期に成り立つはずなのです。
この方法であれば、中間に入る中七七三さんがちゃんとビジネスとして責任もって3年間続けてくださるでしょう。
と言う訳で。
今回私は税金でその大半が消えちゃうはずだったロイヤリティーを無駄にしないで済み、中七七三さんにはわずかながらも契約通りの手数料が入り、そして読者様には拙作を読んで頂ける、Win・Winな状態での募金が可能になりました。
今回のこの行為は、私にとっては表の生活でずっと悩んできたことへの一つの決着点であり、実は内心上手くやったぞっとほくそ笑んでいたりしています。
と、いうことで。これはれっきとした売名行為であり、皆様への宣伝です。
お読みいただいた皆様、堂々とお願いさせていただきます。
どうぞ拙作を買ってくださいませ♡
コメント